墓じまいとは?その背景や知っておきたい準備や手続きの流れについて解説

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今回のブログでは、「墓じまい」についてご説明したいと思います。

「墓じまい」という言葉を聞いたことがある方もいれば、初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれません。簡単に言うと、お墓を閉じることを指しますが、なぜそのようなことをするのか、どのような手続きが必要なのか、みなさん知っていますか?

「墓じまい」が必要になる背景や理由、そして実際にどのように進めていくのかを、それぞれまとめてみました。お墓や先祖供養に関心がある方、またはこれから「墓じまい」を考えている方にとって、参考になる情報を提供できればと思います。どうぞ最後までお読みいただければ幸いです。

〇墓じまいとは

「お墓じまい」とは、現在ある墓を閉じることを指します。具体的には、お墓の石を解体して更地に戻し、墓地の使用権を墓地管理者に返還する手続きを行います。

墓じまいの背景としてはさまざまですが、一般的には、墓参りが困難な遠方に住んでいる場合や、墓を継承する後継者がいない場合などの理由で行われます。まず、家族や親戚と十分に相談し、皆の同意を得ることが重要です。その後、墓がある寺院や霊園に連絡し、具体的な手続きを相談します。

墓じまいをする場合は、すでに納められているお骨を別の墓所へ改葬(お骨を別の場所へ移すこと)する必要があります。

〇墓じまいする理由

近年、「お墓じまい」を決断する人が増加傾向にありますが、そこには様々な背景があります。

 ・家族構造の変化

日本の家族構造は、過去数十年の間に大きく変化しています。特に、戦後の高度経済成長期を中心として、経済、社会、文化の多くの側面で変革が進んできました。

大家族から核家族へ
かつての日本では、多世代が同居する大家族が一般的でした。このような家族構造の中では、家族の中の数人がお墓の維持や年間の供養などの役割を果たしていました。しかし、近年は核家族化が進行し、親子のみ、あるいは夫婦のみでの生活が一般的となっています。このため、お墓の管理や供養を行う家族の数が大幅に減少しています。

子供の数の減少
日本の出生率の低下は、世界的にも注目される問題となっています。子供の数が減少することで、将来的にお墓を継承する家族の数がさらに減ることが予想されます。

都市部への集中
経済的な機会を求め、多くの人々が都市部へ移住しています。これにより、地方や故郷から離れた場所での生活が一般的となり、故郷のお墓を定期的に訪れるのが難しくなっています。

単身赴任や留学
キャリア形成や教育のために単身での赴任や留学が増えていることも、お墓を持たないことの要因のひとつとなっていると考えられます。


これらの社会的背景の変化は、家族の形態だけでなく、家族の価値観や生活様式にも影響を及ぼしています。お墓というものは、家族の歴史や繋がりを象徴するものであり、これらの変化がお墓の維持や供養にどのような影響をもたらすのか、今後の課題となっています。

 ・経済的な問題

お墓に関連する経費の増加は、現代の日本社会における重要な問題となっています。

墓地の購入費用
特に都市部では、土地の価格が高騰している影響を受け、墓地の購入費用も増加しています。さらに、良い立地条件を持つ霊園や、デザイン性を重視した墓地は特に高額となります。土地の限られた都市部での新しい霊園の開発が難しい中、需要と供給のバランスからも価格上昇が進む傾向にあります。

年間の維持費
墓地の清掃や墓石のメンテナンス、霊園の管理費など、毎年必要となる維持費も少なくありません。天候や環境の影響で墓石が劣化した場合の修復費用など、予想以上の経費が発生することも少なくありません。

供養のための費用
年間の法要や供養、お盆や彼岸などの季節のイベントに際しても費用が発生します。僧侶へのお布施、供物、仏具の購入など、これらの供養のための経費が家族の負担になることも考えられます。

経済的背景
日本の経済状況も、家計の厳しさを背景に墓じまいを選択する家族が増えている要因の一つです。コロナウイルスの影響で収入が減少した家庭も多く、物価高が続く中、固定的な経費としての墓地関連の出費が負担となっているのです。


これらの経済的負担が増加する中で、墓じまいや共同墓、樹木葬などの新しい供養の形態を選択する家族が増えてきています。これは、伝統的な家族墓の価値観が変化しているとともに、経済的なリアリティも背景にあると言えます。

 ・価値観の多様性

墓じまいを選択する理由の一つとして、新しい供養の形式の台頭があります。従来の墓地に代わる新しい供養方法が注目されるようになり、選択肢が広がったことが背景にあります。

散骨
近年、日本では散骨が人気を博しています。これは遺骨を特定の場所や海上などで自然に返す方法です。伝統的な墓所よりも、自然と一体となる感覚を重視する方々に選ばれるようになっています。

樹木葬
樹木葬は、森林などの自然の中に遺骨を埋める方法です。墓石ではなく自然環境の中に眠ることができるため、自然に還ることの美しさを求める人々に支持されています。

共同墓地
これは、多数の人が一つの墓地を共有するスタイルです。経済的な理由や、家族や親しい人々との絆を大切にしたいという思いから選ばれることが多いです。

死生観や墓所観の変化
日本の社会はグローバル化の影響を受けており、多様な文化や価値観との接触が増えてきました。これに伴い、死に対する考え方や、その後の供養の方法に対する捉え方も多様化しています。

若い世代を中心に、伝統的な家族墓の形式に固執しない考えが広がっています。これは、核家族化や独身者の増加、さらには地方から都市への人口流動など、家族構造やライフスタイルの変化が影響していると考えられます。

「思い出の場」としての墓
近年の墓の位置づけは、ただの供養の場所から、故人との思い出を共有する場所へと変わりつつあります。家族や友人が集まり、故人との思い出を語り合うことで、その存在をより深く心に刻むことができるという考え方が浸透してきました。


このように、日本の墓所観や死生観は、時代や社会の変化とともに進化を続けています。それぞれの価値観やライフスタイルに合わせた、多様な供養の形式が提供されることで、故人との絆を新しい形で表現する方法が広がっています。

〇お墓じまいに必要な準備と手続き

各手続きにはそれぞれの費用や必要な書類が伴うため、事前に確認し、計画的に進めることが大切です。

 ・家族・親族と話し合い

お墓の墓じまいやお引越しは家族や親族にとって重要な決定です。事前に親族とのコミュニケーションを図り、墓じまいの理由や意図を説明しましょう。親族の理解と了解を得ることで、後々のトラブルを回避することができます。

お墓の場所や形は人々にとって感情的なつながりを持つことがあります。お墓じまいに拒否感を持つ人もいるかもしれません。そのため、親族の感情に配慮し、話し合いを重ねることで共感や理解を深める努力をしましょう。

 ・お骨の移動先を決める

お墓じまいをする際には、現在の墓地に納められているお骨の移動先を決める必要があります。墓じまいの理由によって、適切な移動先を選ぶことが重要です。

もし墓じまいの理由が後継ぎがいない場合、遺骨を永代供養墓に納めることが考えられます。永代供養墓は、寺院や霊園が長期間にわたって遺骨を管理し、供養を続けてくれるため、後継者がいない家庭にとって安心できる選択肢です。

一方、墓じまいの理由が遠方に住んでいてお参りが困難な場合には、新たに近くに一般墓を用意することが考えられます。新しい墓地に遺骨を移すことで、お参りがしやすくなり、家族が頻繁に供養できる環境を整えることができます。

このように、墓じまいを行う際には、遺骨の移動先をしっかりと考慮し、家族の状況や希望に応じた最適な選択をすることが大切です。それぞれの選択肢にはメリットがあるため、しっかりと検討し、家族全員が納得できる方法を選びましょう。

 ・墓じまいにかかる手続きや費用の確認

「お墓じまい」にかかる費用にはさまざまな項目があります。

主なかかる費用としては、墓石や墓地の基礎部分を撤去する解体工事費用遺骨を別の墓地や納骨堂に移す際の改葬費用新しい場所の購入費用があげられます。

そのほかにも、お墓じまいの際にお世話になる寺院へのお布施や離檀料や、墓じまいの手続きや遺骨の移動に伴う交通費、各種手続きに必要な書類を作成するための費用も考慮する必要があります。これらの費用は地域や墓地の状況、遺骨の処理方法によって異なるため、具体的な金額は事前に確認しておくことが重要です。墓じまいを検討する際には、信頼できる業者や寺院に相談し、詳細な見積もりを取ることをおすすめします。

 ・改葬許可証の取得

お骨を新しい場所に移動する際には、「改葬許可証」という書類の取得が必要です。

この許可証は、現在お骨を納めている墓地のある地方自治体から発行され、遺骨を現在の場所から新しい墓地や納骨堂など、別の場所へ移動させるために必須となる書類です。改葬許可証がなければ、墓地から遺骨の取り出すことや、新しい墓地への埋葬といった手続きができないことがあります。

許可証を申請するには、移動するお骨についてや移動先の墓地の情報を記載した申請書を、現在の墓地管理者や市区町村役場に提出し手続きを行います。

改葬許可証取得の流れ

新しい墓地を契約し、墓地管理者から「受け入れ証明書(使用許可証)」を発行してもらいます。

現在の墓地の管理者から、「埋葬(蔵)証明書」または市区町村指定の「改葬許可申請書」に捺印をしてもらいます。

現在の墓所のある市区町村役所に、新しい墓地から発行された使用許可証または受け入れ証明書(①)と、

 現在の墓地から署名・捺印をもらった改葬許可申請書(②)を提出し、「改葬許可証」を交付してもらいます。

 ・お骨出し・新たな移設先へ納骨

書類等の手続きが完了した後は、現在の墓地から新しい供養先へとお骨を移動します。

現在の墓地からお骨出しをする際に、墓石に対しても魂抜き(閉眼供養)の儀式を行うことがあります。この儀式は、お墓を解体する前に行われることが一般的で、故人の魂を安らかにすると共に、墓石自体をただの石として扱えるようにするためのものです。

お墓からお骨を全て取り出した後は、墓地の解体工事を行います。この工事により、墓地は更地にされて霊園に返還されます。

そして、取り出したお骨を新しい墓地に納骨します。この一連の手続きを通じて、故人は新たな休息の場所へと移され、家族は故人を新しい場所で偲ぶことが可能となり、心の平穏を得ることができます。

〇おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「墓じまい」は、家族や先祖を大切に思う気持ちから生まれる決断であり、大切な儀式です。その背景や手続き、費用についてご説明しましたが、具体的な状況や地域によって異なる場合もありますので、ご不明な点があれば霊園や石材店に相談することをおすすめします。

お墓じまいを考える際には、家族や親族と十分に話し合い、皆の納得を得た上で進めていくことが大切です。また、信頼できる寺院や業者と連携し、スムーズに進めるためのサポートを受けることも重要です。お墓や先祖供養に関する疑問や悩みを解消し、心の負担を軽くするためにも、正しい情報を元に適切な判断をしていただければと思います。

今回のブログが少しでもお役に立てれば幸いです。お墓じまいを通じて、家族や先祖への感謝の気持ちを大切にし、これからも心穏やかに過ごせることを願っています。

ご質問やご相談がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。ありがとうございました。

監修者情報

渡辺裕
(わたなべゆたか)

1984年生まれ。千葉県松戸市育ち。実家が石材店のため、幼い頃からさまざまなご家族様の供養に触れて育つ。大学卒業後は法人向けソリューション営業に従事し、その後当石材店に勤務。多くのご家族様のお墓の建立に携わり、2017年に4代目店主として代表取締役に就任。終活に関する資格を多数所有し、幅広い知識と経験でお客様に寄り添ったサポートを心がけている。

有限会社 千代田家石材店/代表取締役
一般社団法人 日本石材協会/認定 お墓ディレクター 2級 認定番号 21-200080-00
一般社団法人 終活カウンセラー協会/終活カウンセラー 2級
一般社団法人 日本看取り士会/看取り士
一般社団法人 日本尊骨士協会/尊骨士


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