後悔しないお墓づくり|建墓のタイミングと寿陵のメリット・注意点を詳しく解説
「お墓を建てるのはいつがいいのだろう?」と悩んでいる方は、実はとても多いんです。
お墓は、大切な方を偲ぶ場所であり、ご家族にとって心のよりどころにもなる大切なもの。だからこそ、建てるタイミングはしっかり考えたいですよね。
お墓を建てる時期には、生前に準備する方や、法要のタイミングに合わせて建てる方など、さまざまな選択肢があります。
この記事では、そうしたタイミングごとの特徴や注意点をわかりやすくご紹介します。お墓づくりで後悔しないために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次
○建てるタイミングは人それぞれ
「お墓を建てるのはいつがいいんだろう?」と悩む方は多いですが、実はお墓を建てるタイミングに明確な決まりはありません。お墓づくりは、故人を偲ぶための大切な準備ですが、急いで決める必要はなく、ご家族の気持ちや状況に寄り添いながら進めていくことができます。
たとえば、「法要の節目に合わせて建てたい」「納骨堂にしばらく安置してからゆっくり検討したい」「生前に準備しておきたい」など、人によって考え方やタイミングはさまざまです。それぞれの事情や価値観を大切にしながら、無理のないペースで進めていくことが何よりも重要です。
ここでは、一般的に多くの方が選んでいる3つのタイミングをご紹介します。それぞれのメリットや注意点について詳しく解説しますので、お墓づくりを考える際の参考にしてみてください。
○生前に建てる「寿陵(じゅりょう)」
「お墓は亡くなってから建てるもの」と思われがちですが、実は生前にお墓を準備する方も増えています。これを『寿陵(じゅりょう)』といいます。
寿陵は、昔から縁起が良いとされており、終活の一環としても注目されている方法です。ここでは、寿陵の具体的なメリットや注意点について、分かりやすくお伝えします。
寿陵とは
寿陵とは、生きているうちに自分自身のお墓を建てることを指します。
「お墓を生前に準備するなんて縁起が悪いのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はその逆です。寿陵は、長寿や家族繁栄を願うものとされ、古くから縁起が良いと考えられています。
例えば、歴史上の人物である秦の始皇帝も寿陵を建てたことで有名です。現代では終活ブームの影響もあり、寿陵を選ぶ方が増えています。
メリット①家族の負担を軽減
万が一のときに、お墓を準備するのは想像以上に大変なことです。お墓を建てるためには、墓地の選定から石材やデザインの決定、予算の調整、さらには手続きや工事の手配まで、さまざまな準備が必要になります。これらの作業を短期間で進めなければならない場合、ご遺族は精神的な負担だけでなく、時間や費用の面でも大きな負担を抱えることになります。
特に、突然のことで気持ちの整理がつかないまま進めると、じっくり考える余裕がなく、デザインや立地などを慌てて決めてしまうことも少なくありません。その結果、「もっと良い場所を選べばよかった」「違うデザインにすればよかった」といった後悔につながるケースもあります。
こうした事態を避けるためにも、生前にお墓を準備しておくことで、残されたご家族に負担をかけることなく、安心して供養の時間を迎えることができます。生前にお墓を建てることで、家族は心のゆとりを持って法要や供養に集中できるため、気持ちを整理しながら故人を偲ぶ時間を大切にすることができるでしょう。
メリット②自分の希望に合ったお墓を建てられる
お墓は、故人を偲ぶ大切な場所であると同時に、ご家族や子孫が長く訪れる心の拠り所にもなります。だからこそ、デザインや石材の種類、立地など、細部までこだわって準備できるのは大きな魅力です。
たとえば、「この場所は眺めが良くて落ち着く」「日当たりが良くて気持ちがいい」といったポイントを重視しながら、立地を選ぶことができます。また、石材ひとつをとっても、色合いや風合いにはさまざまな種類があり、好みやイメージに合わせて選ぶことで、自分だけの特別なお墓をつくることができます。彫刻する文字やデザインを工夫したり、シンプルでモダンなデザインにしたりと、自由にカスタマイズできるのも生前準備ならではの利点です。
さらに、生前にお墓を建てることで、「自分らしいデザインを残したい」という思いを反映できるだけでなく、ご家族にとっても「お墓に込められた故人の想いを大切に守っていこう」という気持ちが生まれやすくなります。こうした心のつながりは、お墓をより特別な存在にしてくれるでしょう。
また、家族と話し合いながら準備を進めることで、デザインや立地についての意見を取り入れたり、次世代への思いやりを形にすることもできます。「将来、子どもや孫たちが訪れやすい場所がいい」「管理がしやすいお墓にしたい」といった点も事前に検討できるため、安心感を持って準備を進められるのも生前建墓の魅力です。
メリット③節税や価格変動への対策
墓石の価格は、石材の輸入状況や経済の影響を受けて変動することがあります。また、お墓の購入費用は相続税の課税対象にはならないため、生前に準備することで節税対策にもつながります。
将来的な価格の上昇や経済状況の変化を気にせずに済むのも、寿陵の大きなメリットです。
注意点:霊園の規定を確認する
霊園や墓地によっては、生前にお墓を建てる際に必要な手続きや規定が異なることがあります。
「生前契約は可能か」「名義変更はできるか」など、契約内容をしっかり確認しておきましょう。

○霊園の建墓の期限にあわせる
お墓を建てるタイミングは人それぞれですが、霊園や墓地の契約には「建墓期限」が設けられている場合があることをご存じでしょうか?
「建墓期限って何?」「期限を過ぎるとどうなるの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは、建墓期限について詳しく解説し、注意すべきポイントをわかりやすくご紹介します。
建墓期限とは?霊園や墓地に期限がある理由
霊園や墓地では、契約時に「〇年以内にお墓を建ててください」といった建墓期限を定めているところがあります。
例えば、「契約日から3年以内」や「使用許可を受けてから1年以内」など、期間は霊園や墓地によって異なります。
このような期限を設けている理由は、次のような背景があるからです。
- 霊園や墓地の整備や管理を計画的に進めるため。
- 空き区画を放置せず、利用者全員が適切に管理できる環境を維持するため。
そのため、期限を過ぎてしまうと契約が解除される可能性があるので注意が必要です。
建墓期限への対策は?余裕を持った計画がカギ!
霊園や墓地を契約する際には、建墓期限があるかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。
契約書には「契約日から〇年以内にお墓を建てる」といった期限が明記されている場合が多いため、契約前に必ず内容をチェックしましょう。不明な点があれば、その場で管理事務所や石材店に確認するのがおすすめです。
また、期限に間に合うよう計画的にお墓づくりを進めることも大切です。まずは石材店や霊園と相談しながら、お墓のデザインや石材の種類、予算などを決めるスケジュールを立てましょう。墓石の加工や設置には一定の期間がかかるため、早めに準備を始めることで安心して進めることができます。
さらに、万が一期限までに準備が間に合わない場合は、できるだけ早く管理事務所や石材店に相談することが大切です。延長手続きや契約内容の変更が可能かどうかを事前に確認しておけば、焦ることなく対応できます。契約時の確認と計画的な準備をしっかり行うことで、建墓期限を守りながら納得のいくお墓づくりを進めることができます。

○一周忌までに建てることが多い
一周忌とは、故人が亡くなってから1年目に行う大切な法要です。この時期は、ご遺族にとっても少しずつ気持ちが落ち着いてくるタイミングとされ、供養の節目としてお墓を建てる目安と考える方が多くなっています。
お墓を建てることで、故人を正式に偲ぶ場所が整い、ご家族の気持ちの整理にもつながるため、一周忌を区切りにするケースが多く見られます。
一周忌を目安に建てるメリット
① 気持ちの整理がしやすい
一周忌は故人を供養するための節目として、多くの方が気持ちを整理するタイミングとしています。このタイミングでお墓を建てることで、「きちんと供養できた」という安心感を得られるのがメリットです。
② 親族が集まりやすい時期
一周忌の法要では、親族が集まる機会が多いため、お墓をお披露目する場としても最適です。親族みんなでお墓参りをし、故人を偲ぶことで絆を深めるきっかけにもなります。
③ 供養の流れが自然に整う
法要とお墓のお披露目を一緒に行うことで、供養の流れがスムーズに進みます。法要と合わせて準備を進めることで、全体の計画も立てやすくなるのが特徴です。
○建墓は急がなくても大丈夫
お墓を建てるタイミングについて、「すぐに準備しなければいけないのでは?」と焦ってしまう方も多いかもしれません。しかし、実際にはお墓づくりは急がなくても大丈夫な場合がほとんどです。ここでは、建墓を急ぐ必要がない理由や、心を込めたお墓づくりの進め方について詳しくご紹介します。
焦らず準備を進めましょう
お墓を建てるタイミングには明確な決まりがないため、ご家族の気持ちや状況に合わせて準備を進めることができます。
たとえば、故人が亡くなったあと、納骨堂やご自宅に一時安置するケースも多くあります。最近では、散骨や樹木葬など、お墓にとらわれない供養の形を選ぶ方も増えており、こうした新しい選択肢を検討する時間を確保することもできます。
このように、供養の形やお墓のスタイルをじっくり考えるためにも、焦らず準備を進めることが大切です。
家族と話し合いながら
お墓づくりは、故人を偲び、家族の想いを形にする大切な作業です。だからこそ、家族全員で話し合い、意見を共有しながら進めることが重要です。
話し合いのポイント
- お墓のスタイルや場所をどうするか。
- 予算やデザインはどのようにするか。
- 今後の管理や供養の方法について、どのように進めるか。
家族みんなで意見を出し合うことで、納得のいくお墓づくりができ、完成したときには心から満足できる場所が出来上がります。
○心をこめたお墓づくりを目指して
お墓は単なる石ではなく、故人を偲び、心を寄せるための大切な場所です。そのため、慌てて決めるよりも、しっかりと気持ちを込めて準備することが何よりも大切です。
デザインや石材、文字彫刻など細かい部分にまでこだわることで、ご家族や故人の想いを形にすることができます。また、最近ではオリジナルデザインのお墓や、花や植物に囲まれた自然葬墓地など、選択肢が広がっています。
自分たちに合ったお墓のスタイルを選ぶためにも、焦らず時間をかけてじっくり考えていきましょう。

○おわりに
「お墓はいつ建てるべき?」という問いには、決まった正解はありません。それは、ご家族それぞれの気持ちや状況によって違うものだからです。
お墓を建てることは、故人を偲び、ご家族の絆を深める大切な時間でもあります。でも、急いで決めなければいけないものではありません。大切なのは、故人を思う気持ちを大事にしながら、ご家族みんなで相談し、納得できるタイミングで準備を進めることです。
「まだ気持ちの整理がつかない」「時間がなくて準備が難しい」と感じることもあるかもしれません。そんなときは、無理をせず、自分たちのペースで考えていきましょう。焦らずじっくり進めることで、故人への感謝や思い出を振り返りながら、心を込めたお墓づくりができるはずです。
お墓は、故人への敬意と永遠のつながりを形にするものです。だからこそ、ご家族や親しい人たちと意見を共有しながら、一つひとつ丁寧に決めていくことが大切です。費用や手続きについても、事前に情報を集めることで安心して進められるでしょう。
最終的には、ご家族の気持ちに寄り添いながら、自分たちにとってベストなタイミングを選ぶことが何よりも大切です。大切な人を思う気持ちを大事にしながら、心を込めたお墓づくりを進めていきましょう。
もしお墓づくりについて不安や疑問があれば、いつでも石材店にご相談ください。
監修者情報

渡辺裕
(わたなべゆたか)
1984年生まれ。千葉県松戸市育ち。実家が石材店のため、小さい頃からさまざまなご家族様の供養に触れて育つ。大学卒業後は法人向けソリューション営業に従事し、その後当石材店に勤務。多くのご家族様のお墓の建立に携わり、2017年に4代目店主として代表取締役に就任。終活に関する資格を多数所有し、幅広い知識と経験でお客様に寄り添ったサポートを心がけている。
有限会社 千代田家石材店/代表取締役
一般社団法人 日本石材協会/認定 お墓ディレクター 2級 認定番号 21-200080-00
一般社団法人 終活カウンセラー協会/終活カウンセラー 2級
一般社団法人 日本看取り士会/看取り士
一般社団法人 日本尊骨士協会/尊骨士
ーお墓に関するご相談ならぜひ千代田家石材店にー
当社は大正8年に八柱霊園の参道に創業してから100余年。
千代田家石材店は、お客様に寄り添ったご提案・ご法要・お墓参りのお手伝いをさせて頂いています。
埼玉県さいたま市の岩槻北稜霊園のほか、埼玉、茨城、千葉県内に多数お取り扱いの霊園がございます。
ご埋葬やお墓の購入、お墓のリフォームなど、お墓やご法要に関することでしたら、何でもご相談ください!
有限会社 千代田家石材店
住所:〒270-2253 千葉県松戸市7-450(八柱霊園 中参道)
営業時間:8:00〜19:00(土日祝日営業)
店舗定休日:火曜(祝日・お盆・お彼岸・年末年始を除く)
※各霊園のご案内は随時行っております。
TEL/FAX:047-387-2929/047-389-0088
HP:https://chiyodaya.co.jp/
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