石材からお墓になるまで|墓石の採掘から加工までの流れをご紹介
お墓は、故人を偲ぶ大切な場所ですが、その墓石がどのように作られているかご存知でしょうか?
実は、お墓が完成するまでには、石材の採掘から加工、そして設置までの細かな工程があります。この記事では、石材がどのようにお墓となるのか、その一連の流れをわかりやすくご紹介します。お墓作りの裏側を知ることで、さらに大切な場所への理解と愛着が深まるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
目次
〇採掘から加工まで
・採掘場
まず最初に採掘作業では、地中から石材を取り出すために重機を使って土や岩盤を取り除きます。この作業により、良質な原石が露出し、その後の作業でより効率的に石材を取り出すことができます。重機は土や岩盤を掘り起こし、採掘場所を掘削作業が行われる状態に整えます。
・岩盤の切り離し
次に、岩盤の切り離し作業をおこないます。この際、火薬、ワイヤーソー、ジェットバーナーなどの方法が利用されます。
火薬を使用する場合、岩盤に穴を穿ち、そこに爆薬を充填して爆発させることで岩盤を切り離します。ワイヤーソーは、ダイヤモンド製のワイヤーを使用して岩盤を切断するため、精密で制御された切り出しが可能です。ジェットバーナーは熱を利用して岩盤を切り離す方法です。
これらの手法を使用して、石材から周囲の岩盤や不要な部分を切り離し、不要な材料を取り除くことで、石材を取り出していきます。
・石材の分割作業
石材は、採掘されたままの大きな塊では取り扱いが難しいため、石材を適切な大きさに分割します。
分割する際は、石材の岩盤の石目を読み取り、それに従って割っていきます。石目は、岩盤が自然に形成された際の層状の模様や割れ目を指します。石材の表面にある石目の方向やパターンを観察し、それに基づいて石材を割るラインを決定します。これらの石目を読み取ることで、石材が自然な形で分割され、割れ目が石材の強度を損なうことなく取り扱いやすいサイズにきれいに割ることができます。
この作業は、経験と熟練が必要であり、熟練した職人によって行われます。石目を読むことで、石材が無駄な割れ目や欠けを生じずに綺麗に割れるため、加工された石材が高品質であることが保証されます。
・部材を分別
分割された部材は、墓石の異なる部分に使用されるように分類されます。例えば、墓石の上部、側面、基部などに分類され、それぞれの部位に適した石材が選択されます。
・切削作業
切削作業では、各部材が必要な形状やデザインに合わせて加工されます。通常、石の大きさや硬度に応じて適切な切削機械が選択され、石材を所定の形に整えます。
・研磨作業
研磨作業は、最終工程の重要な作業です。
切削された部材は、研磨されることで滑らかな表面に処理されます。この作業により、墓石が美しく仕上がり、触れたときに安全で滑らかな表面が得られます。石材の表面に付着した不均一な部分や粗さを取り除くことで、品質の高い仕上がりを実現します。
研磨作業には、目の粗さが異なる様々な種類の砥石が使用され、熟練した職人によって行われます。この工程を経て、墓石は美しい仕上がりを得ることができます。
・出荷
最後に、加工された石材は出荷準備が整えられます。検査が行われ、品質が確認された後、墓石は梱包されて出荷されます。
〇お墓の重さは?
お墓の石はかなり大きく重さがあります。
下の画像のような縦長の和型と呼ばれるお墓の一般的な石碑(一番上の石)は、8寸角という、幅と奥行きが8寸(約24.2㎝)、高さが2尺1寸(約63.6㎝)ほどの大きさになります。この石の大きさだけで、大体100kgもの重さがあります。
ちなみに、石の重さは白いものより黒い石ほど重くなります。
墓石はかなり重く硬い材質のため危険ですので、石を動かしたり修理する場合はご自身ではせず、石材店にお任せください。
・墓石の量の計算方法
墓石の長さや量を計算する際には、尺貫法を使用することが多いです。
特に、縦長の和型のお墓は、石碑の横幅の寸法の大きさに合わせて「8寸角」、「9寸角」、「1尺角」(1尺=10寸)というように呼んでいます。
また、通常何かの量を計算する際には、1辺を1mとして計算する「m3(立方メートル)」の単位を使用することが多いです。しかし、石材の場合は、1辺を1尺(1尺=10寸=30.3㎝)として、1尺×1尺×1尺=1才の単位を用いて計算します。
ちなみに、1才の重さは、およそ80㎏程度ですので、さきほどの8寸角の石碑が100kgほどということは、石の量は約1.3才ということになります。
〇おわりに
いかがでしたか?石材がお墓として納品されるまでのプロセスについてご紹介しました。
石材の採掘から始まり、熟練の職人による精密な作業や加工によって墓石が仕上げられています。この過程は単なる石の加工作業ではなく、家族の思い出や敬意が込められた大切な場所を創り上げる旅でもあります。熟練の技術と丹精込められた作業が、最終的には亡き者への深い愛情と敬意を表す墓石として形になるのです。
ご紹介してきたように、墓石になるまでには様々な工程があり、職人たちの手間や時間がかけられています。お墓参りの際に、自分たちのお墓が作られる間の工程を想像してみると、よりお参りが感慨深いものになるかもしれません。
監修者情報
渡辺裕
(わたなべゆたか)
1984年生まれ。千葉県松戸市育ち。実家が石材店のため、幼い頃からさまざまなご家族様の供養に触れて育つ。大学卒業後は法人向けソリューション営業に従事し、その後当石材店に勤務。多くのご家族様のお墓の建立に携わり、2017年に4代目店主として代表取締役に就任。終活に関する資格を多数所有し、幅広い知識と経験でお客様に寄り添ったサポートを心がけている。
有限会社 千代田家石材店/代表取締役
一般社団法人 日本石材協会/認定 お墓ディレクター 2級 認定番号 21-200080-00
一般社団法人 終活カウンセラー協会/終活カウンセラー 2級
一般社団法人 日本看取り士会/看取り士
一般社団法人 日本尊骨士協会/尊骨士
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当社は大正8年に八柱霊園の参道に創業してから100余年。
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